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2019-01-23

読書間奏文 藤崎彩織 〜オススメ本11冊目〜 届けたいメッセージ 【書評動画】

今回の勧め本は藤崎彩織著「読書間奏文」です
読書とエッセイがリンクした素敵な一冊になっています

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こんにちは、つよしです。
今回オススメする本は、こちら。
藤崎さおり著「読書間奏文」です。
感想の字が、音楽の間奏になっています。
作者の藤崎さおりさんは、世界の終わりのさおりさんですから、
ミュージシャンの視点で書かれたエッセイになっています。
また、エッセイでありながら、さおりさんが読んだ本の一部分を引用したエッセイという、
ちょっと変わった形式の本です。
アマチュアバンド時代のことや、結婚して妊娠しているときのこと、
そして、子供が生まれてから現在までの心の変化が本とリンクしながら語られていて、
音楽を聴くように読める素敵な本ですので、最後まで見てもらえると嬉しいです。

では、いつものように私が選んだ文章3つをご紹介します。

私は混乱した。分からない。分かりたいのに分からない。
バーテンダーの微笑みも村上春樹の言っていることも。
「もしも僕の言葉がウイスキーであったなら」

これは、村上春樹さんの紀行文「もしも僕の言葉がウイスキーだったなら」
を読んださおりさんが、ウイスキーに興味を持ち、村上春樹さんが本の中で紹介していたウイスキーを飲んだ時の感想です。
この気持ちって、わかりますよね。
私たちも、その感覚をわかりたいけど理解できないことってありますよね。
子供の頃、物語を読んで、人を好きになるってこんな感じなのかなとか、
子供を産んで育ているって、こんな感じなのかなとか、
自分が行ったことない国について、書かれた文章を読んで、
あの国で暮らしたら、こんな風になるのかなとか、イメージしますよね。
そのイメージと現実というのは、だいぶ違っていて、でも自分で実際に経験することで
見えてくる世界がある。
そんなことを思って、クスッと笑える文章です。

美味しいご飯を食べることって……もしかして悪いことじゃないのかも」
私はおそるおそる呟いた。急に雲間から光が差すような明るさが自分の心を照らし始める。
世界はこんなにも広くて明るかったのか。
「コンビニ人間」

これは村田沙耶香さんの芥川賞作品「コンビニ人間」とリンクしたエッセイの一文です。
さおりさんはアマチュアバンドの頃はお金も時間もなかったんですね。
だから、美味しいものを食べに行くなんてことは、悪いことだと思っていたんです。
そんなお金があるのなら、バンドの機材を買うために使うべきだと思っていた。
そして、プロとしてデビューして、ある程度お金も稼げるようになったのに、
美味しいものの話をしている人に対して嫌悪感を持っている。
美味しいご飯の話で盛り上がる人たちが理解できない。
そのことを友人に話したら、その友人が「美味しいご飯の話をして何が悪いの?」
って言うんですね。
そこで、さおりさんはハッとします。
自分は今までバンドの中の狭い価値観でしが世の中を見ていなかった。
コンビニ人間を読まれた方はわかると思いますが、コンビニ人間の主人公も同じですよね。
コンビニという狭い価値観で世界を見ていた。
あの物語の主人公は自分と同じではないのかと気づいた時の文章です。

私たちも、自分だけの狭い価値観ってありますよね。
こうするべきだ、とか、こんなことはしてはいけないとか。
でも、それって本当なの?
自分の狭い価値観で世の中を見ているからじゃないの?
それを気づかせてくれるのが読書の楽しさの一つではないでしょうか。

私にとっても「良い」とは誰かにとっての「良い」だ。
私にとっての悪いとは、誰にも届かないことだ。
「ひとりの時間」

こちらはこの本の最後のエッセイの中の一文で、他の本とはリンクしていません。
さおりさんの気持ちをそのまま文章にしているのですが、とても印象に残ったので最後に選びました。
さおりさんが音楽を作るときに考えていることは、自分が聴いていいなと思う音楽ではなくて、誰かが聴いて、良いなと思ってくれる音楽が、自分にとっての良い音楽だということです。
そして自分にとって悪い音楽というのは誰の心にも届かない音楽が悪い音楽だと書かれています。
セカオワの音楽というのはすべて、聴いている人にメッセージを届けたい。
聴いている人に、何かを感じで欲しい。
そんな気持ちで作っているから、私たちの心に響くんだなと思いました。






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