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2017-03-25

良い恋愛はココアだと思う 「孤独な夜のココア」 田辺聖子


 もしも、恋愛を良い恋愛と悪い恋愛に分けるなら

良い恋愛がココアで、悪い恋愛が珈琲です。そんなことを、ふと考えたのが、この「孤独な夜のココア」という小説でした。
この本は田辺聖子さんの短編小説集です。初版は昭和53年10月になってますから、そうとう昔の本ですね。書かれたのは昔ですが、男女の恋愛は、昔も今もあいかわらずなので、いま読んでも新しいです。

この本の中には、いくつかの恋愛が描かれています。結ばれるものもあれば結ばれないものもあります。純愛もあれば略奪愛もあります。恋の始まりを描いたものもあれば、恋の終わりを描いたものもあります。
そのすべてに物語に共通しているのは、良い恋愛だということです。最初にも書きましたが、良い恋愛とはココアのようなものです。
ココアは甘くてちょっと苦い飲みものです。孤独な夜にココアを飲めば、おだやかな気持ちになり、ぐっすり眠ることができます。
良い恋愛とは、つまりはそういうことなのです。孤独な夜にその恋愛を思い出したときに、おだやかな気持ちになり、ぐっすり眠ることができるような恋愛。
悪い恋愛は苦味が強すぎて思い出すと眠れなくなってしまいます。孤独な夜に珈琲を飲んではいけません。孤独な夜に思い出すのなら、ココアのような良い恋愛のほうがいい。
この本に書かれた物語は、どれもココアのような物語です。欠点のある男女や、ダメな男性、自信のない女性などが登場しますが、それらをやさしく包み込みながら愛情を生み出していきます。
 
小説の主人公はすべて関西の女性です。みんなかわいらしい人たちばかりです。しっかりした女性、甘えじょうずな女性、男勝りな女性、計算高い女性など、様々な個性の女性を主人公に描かれています。

眠れない夜に、この本を手に取り、一編の短編を読む。甘くてちょっと苦い物語を読んで、むかしの良い恋を思い返してみる。そして、おだやかな気持ちになって、ぐっすり眠れる。そんな本でした。

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