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2017-02-21

【告白】彼女との不都合な関係について


彼女との不都合な関係を告白します。

 

関係が始まったのは、いまから10年以上前。

一時の気の迷いなどではなく、身も心も深く結びついていると言われても、弁解の余地はない。

 

彼女とさいしょに出会ったのがいつだったか、覚えていません。

それほど長い付き合いになります。

しかし、以前は彼女のことを、まったく意識していませんでした。

特別な感情などなかったのです。

気性の激しい今の彼女からは想像もできないことですが、以前の彼女は影の薄い存在というか、空気みたいなもので、じぶんを主張することはありませんでした。

ただ、そこにいるだけ。

ごく自然に、そして静かに漂う彼女の姿を気にも留めていませんでした。

彼女と不都合な関係になったのは、わたしが成人してからです。

なぜ、そんなことになってしまったのか、じぶんでも分かりません。

言い訳に聞こえるかもしれませんが、わたしから彼女を誘ったのではありません。

どちらからでもはなく、自然の成り行きでした。

これは、あるいは現代社会が抱える問題ではないでしょうか。

 

彼女との関係が始まったとき、「あっ、これがそういうことなのか」と思いました。

大変なことになってしまったと思う反面、密かに喜んでいる自分を否定できません。

 

「不都合な関係」についてはテレビなどで話題になっていたり、雑誌の特集記事などで目にすることもあったので、知識としては知っていました。

まさか、じぶんが経験するとは思っていませんでしたが、経験した時には、

「ああ、これか。これから、どうなるんだろう」

これからの暮らしがどんな風に変わっていくのか、不安と興味がありました。

 

彼女との不都合な関係について、友人に相談したことがあります。

すると友人は、

「ふん、諦めるしかないな」

そう言って小さく笑いました。

あとから知ったのですが、彼女はわたしの友人とも不都合な関係だったのです。

彼女はわたし以外とも関係をもっていたのです。

彼女は相手を選びません。男性でも女性でも、大人でも子供でもかまわないのです。

そして、私たちも彼女を選ぶことは出来ません。

偶然なのか必然なのかわかりませんが、自分の意志とは別のなにか、自然の摂理みたいなものが働いている気がします。

彼女の目的はわかっています。

彼女は子供が欲しいのです。じぶんの子孫を残したいのです。

そのために、さまよっているのです。

子孫が残せるなら誰でも構わないのです。

しかし、私との間に子供など出来るはずはありません。

わたしには妻も子もいます。それに、常識的に考えて子孫を残すことは不可能です。

そんなことは彼女も理解しているはずなのに、彼女はじぶんの子孫を残すことだけを目的に行動するのです。それ以外のことはどうでもいいかのように。

 

彼女はいつも、わたしの粘膜を刺激してきます。わたしはそんな彼女に対して抗いました。

抗えば抗うほど、体の中では抗体がつくられるのです。

その抗体が粘膜に付着した彼女に、激しく反応します。

刺激された粘膜からは大量の分泌物が放出されます。

鼻からは鼻水が溢れ、目は痒くなり、喉は腫れるのです。

 

この辛さは経験した人にしか、わからないでしょう。

他人は、そんなわたしを、ただ笑って見ているだけです。

 

なぜ、こんな恥ずかしいことを告白したのかというと、皆さんに知って欲しかったからです。わたしが彼女との関係に苦しみ、眼を充血させ涙を流し、マスクで顔を覆い、くしゃみをしてしまうのは、すべて彼女との不都合な関係が原因だということを。

 

今年もまた、彼女との不都合な関係が始まる季節になりました。

明日、耳鼻科のある病院に行こうと思っています。そこで薬を処方してもらいます。

薬で彼女との関係を断ち切ることはできませんが、少しは改善するはずです。

 

なぜなら、これは”恋”でもなければ、ましてや”愛”であるはずもない。

”病”なのですから。

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