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2016-12-06

「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」 ブックレビューだよ


「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」

タイトルに惹かれて、手に取ったエッセイ本です。
ジェーン・スーという人のことは知らなかったのですが、ふつうの40代独身の日本人女性でした。

「女子」=「刺青」

ジェーンさんは「女子」とは刺青のようなものだと言っています。
女性の体には、何歳になっても「女子」という刺青が彫られているのだと。刺青というのは意識的に隠さなければ、相手かまわず主張するものである。女同士の飲み会を「女子会」などと言ってSNSにアップするのは、自分の刺青を「おしゃれタトゥーでーす」と見せているのと同じだとジェーンさんは言うのです。
刺青というのは、普段は隠しておくものであって、心を許した親友や恋人だけ見せるものではないかと。
女性は誰でも「女子」の部分を持っているが、それは隠しておいて親友や恋人にだけ見せましょうと言っています。

「男子」=「刺青」

「女子」=「刺青」というのは、なかなかおもしろい例えですね。これは男性でも同じかなと思いました。30歳を過ぎた男性にも「男子」の部分はあります。しかし、男同士の飲み会は、ただの飲み会であって「男子会」と言ってお見せするようなものではありません。
女性の刺青はきっと赤い薔薇や大切な人のイニシャルのような、ちょっとオシャレなイメージがあります。だから、「女子会でーす」とSNSにアップしてもカッコがつきます。
しかし、男性の刺青は、少し違います。昇り竜や桜吹雪のような硬派なものではなく、ドラえもんやピカチュウを彫った刺青です。あまりにも幼く無邪気です。だから、人様にお見せできるようなものではないことを自覚しているので、30歳を過ぎた男性は自分たちのことを「男子」とは言わないのです。ですが、刺青は隠したくても隠しきれるものではありません。いくら隠そうとしても、体に深く刻み込まれたドラえもんやピカチュウが見えてしまいます。男性が必死に隠している子供っぽい部分を見ることはよくありますよね。その度にクスッと笑われているのです。

 

そこが「女子」という刺青と「男子」という刺青の決定的な違いです。大人の女性の体に刻まれた「女子」は、ふだんは隠していて気を許せる相手にだけチラッと見せてよし。あるいは、肌を露出するようにいくつになっても女子をアピールすることもできる。しかし、男性の体に刻まれた「男子」はチラッと見せても堂々と見せても、どんな見せ方をしても格好がつかない。だから、男性はその刺青を隠すしかないのだけれど、それが結構見えちゃっていて失笑されちゃうんですよね。

「若さ」=「粉砂糖」

またジェーンさんは、若さなんてものはお菓子の上に振りかけられた粉砂糖だと言っています。パッと見は良いですが、たいして味はありません。時が経てば吹き飛んで無くなってしまうような儚い装飾です。30代後半の自分にはすでに粉砂糖の装飾はとっくの昔に無くなっている。結婚もせず子供もいないから生クリームもイチゴも乗っていない自分は、むき出しの生地のままで生きているのだと。
この例えも、実におもしろい例えですね。
ジェーンさんの文章は、飾りがありません。本当に生地のまんまで書いてます。
結婚していないことや子供がいないことを卑下することもなく、若さを懐かしむでもなく、世の中の男女を、斜め上から冷静に分析しています。
仕事のこと、恋愛や失恋のこと、家族のことを独自の視点で書いてます。30代後半から40代前半にかけて、ジェーンさんは悩んだり、傷ついたり、後悔したりしながらも明るくたくましく生きる姿を文章にして記録しています。
本のタイトルはちょっと攻撃的ですが、内容は笑いながら考えさせてくれる良質なエッセイ本でした。
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