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2016-11-21

【つよしのんラジオ】トランジスタラジオから聴こえてきた街の音

はい、今週も始まりました「つよしのんラジオ」!

パーソナリティーは私、つよしがお送りいたします。

では、さっそく今週もリスナーからの投稿を読んでみよう。


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わたしは、生まれてから高校を卒業するまで、福岡に住んでいた。

その後、就職し働いていたのだが、なにか違うことがやりたくなった。

そして、臨床検査技師という資格を取るために東京の専門学校へ行くことにした。

お金はなかった。

でも、成人していたので、親に学費を出してもらうのはちょっと気が引けた。

そこで、新聞社の奨学生制度があったので、それを利用して、新聞配達をしながら学ぶことにした。

 

新聞配達をしながら学校に通ったと言うと、「エラいね」とか「がんばったんだね」とか言われるが、実はそれほど大変ではない。

朝が苦手でなく、重たい自転車を漕ぐのが嫌いじゃなければ誰でも出来る。

アパートはタダで住めるし、朝食と夕食は食べさせてもらえるし、数百万円の返済不要の奨学金と毎月数万円の給料がもらえる。

奨学金をもらって新聞配達をする学生のことを奨学生というのだが、奨学生は日本人だけでなく、日本の大学や専門学校で学ぶために中国や韓国から来た奨学生も数名いて、ちょっとした国際交流の場でもあった。

 

新聞屋さんが用意してくれた住まいは、大田区役所近くの古い木造アパートの2階。風呂はなく、共同トイレ。6畳一間に一畳ぐらいの台所が付いた部屋だった。家賃は払ってないから分からないけど、たぶん2万円ぐらいじゃないだろうか。

 

最初、その部屋に足を踏み入れたとき、独特の異臭がした。

けっこう強烈な匂いだったので、押し入れの中に野良猫の死骸でもあるのではないかと思い、怖くて1週間ぐらい押し入れを開けることが出来なかった。

意を決して押し入れを開けると、そこには大量のビールケースが積まれていた。恐れていた野良猫の死骸はなく、匂いの元は不明だったが、空のビールケースを捨てて、押し入れの床を雑巾で何度も拭いたら匂いはしなくなった。あるいは、匂いに慣れただけかもしれないが、とにかく匂いは気にならなくなった。

 

窓を開けると、手が届きそうな距離に隣の家があり、わたしの部屋の前は隣の家のトイレだったので、その匂いだったのかもしれない。

 

朝は新聞配達をして昼間は学校に行き、夜は新聞代の集金をしてから、その日学校で行なった実習のレポートを書く生活は3年ほど続いた。

 

新聞代の集金のために、たくさんの人の家のベルを押してきた。

大田区は雑多な街で、自転車で数分のところに高級住宅街があり、車庫には高級車が並び、室内からはピアノの鍵盤を弾く音がクラシックを奏でていた。

さらに数分自転車を走らせて、環状7号線を横断すると、蒲田の小さな町工場と錆びた自転車。騒音と油の匂い、演歌が聞こえてきそうな場所もある。

 

新聞代の集金の時に、お客さんにサービスとして様々なサービス券のようなものを配ったりする。歌舞伎のチケットや水族館の入場券、野球の観戦チケットなどがあった。

野球の観戦チケットが余っていたりすると、友達と一緒に神宮球場にでかけ、プロ野球の試合を観戦した。

とくに、スワローズのファンではなかったが、外野席でビールを飲みながら、友達と応援し、スワローズが点を取るとビニール傘を広げて東京音頭をみんなと合唱して、大はしゃぎした。

 

わたしにとって、東京という街はラジオのような街だった。

クラッシックがあり、演歌があり、野球中継があり、雑多で猥雑で、いろんなものが交じり合っている。

 

それは、わたしの生活圏から聴こえてくる東京の景色であり、何十年も昔の音色だ。

 

ずっと東京に住んでいる人や、けっこうリッチな暮らしをしてる人には、全く別の東京の風景が見えていて、違う音が流れているのだろう。

 

ラジオはインターネットで聴けるようになり、ノイズの無いクリアな音で、時間や地域に関係なく聴ける時代になった。

 

働いていて、なにか違うことがしたくなる人はいるだろう。

学校に通っていても、そこに学びたいものがない人だっているだろう。

お金がないからとか、働きながら学校いくのなんてとか、いま住んでるところを離れることとか、やりたいことをやれない理由はたくさんある。

 

でもそれは、じぶんでダイヤルを回して周波数を合わせていないだけかもしれない。

電波を探してダイヤルを回していれば、聴こえてくる音は必ずある。

それは、ノイズまじりでクリアな音ではないかもしれないけれど。

じぶんの周波数の合わせ方しだいで、世の中の見え方や聴こえ方は、自在に変えられるような気がする。

 

Web上には、たくさんの文章がある。その中から、このノイズまじりの文章にダイヤルを合わせてくれた人と、この文章は周波数が合うことができただろうか。

もし、周波数が合って、なにかが聴こえてくれたら良いなと思っています。

 


はーい、ここまでお送りしてきました、DJつよしの「つよしのんラジオ」そろそろお別れのお時間がやってまいりました。

今週の放送は、どうだったかな。

感想はコメント欄で、いつでも受け付けているよ。

リスナーのみんなは、風邪などひかないように体調管理に気をつけてお過ごしくださいね。

では、また来週。

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